こんにちは。音楽家専門心理カウンセラー・マリンバ奏者 野元麻美です。今回は、演奏中に弓を持つ手が震えるというお悩みで演奏メンタルレッスンを受けてくださったバイオリン奏者Aさんが、どのように克服をしていったかをご紹介させていただきます。

演奏中にバイオリンの弓を持つ手が震えてしまう

Aさんからのご相談内容は、「本番が来るのが怖い。演奏する時に手が震えてしまう」というものでした。
特に、小さい音を伸ばすときに震えてしまうとのこと。私も趣味でバイオリンを習っていたことがあるのですが、緊張すると弓が震えて音に変なビブラート?がかかってしまっていました。(苦笑)

オーケストラのコンミスとしてもご活躍で演奏キャリアが長いAさんですが、震えや演奏のプレッシャーに関して長年悩まれていてとてもお辛いご様子でした。

そんなAさん、演奏メンタルレッスンを受けて、最終的には本番中もPで演奏する時の震えが止まり安心して演奏できるように!レッスンを通してどのような気持ちの変化があったのでしょうか。

手が震える怖さが減り、演奏を楽しむ余裕へと変化

Aさんの演奏メンタルレッスンを受ける前と受けた後の変化は、次のようなものでした。

\レッスン前/
・本番が近づくと不安になる
・リハーサルが憂鬱
・長い音符になると手が震える
・練習は2時間以上しなければ!と思ってしまう
・コンミスをするのがプレッシャー

\レッスン後/

・不安をやわらげる言葉かけを自分にできるようになった 
・練習をしない時の罪悪感が減った
・自分を責めそうになっても「ま、いっか」と思えるようになった
・過去の自分の頑張りを認められるようになった
・純粋に演奏を楽しむ余裕が出てきた
・Pの小さい音でも落ち着いて演奏できた!

「弱奏でも手の震えが落ち着き弓を動かせるようになりました」(ご感想と解説)

ここからは、Aさんのご感想と私からの解説をご紹介いたします。

Qどんなお悩みで「演奏メンタルレッスン」を受けようと思いましたか?

本番が来るのが怖いのと、手の震えです

【解説】
Aさんは、音楽への愛情と強い責任感を持っていらっしゃいました。合奏でソロがあるときやコンミスを務める時には「自分がしっかりやれば全体が良くなる。私が頑張らなくては!」と常に感じており、過度なプレッシャーが演奏のパフォーマンスを落としている原因の一つとなっていました。

Qそのことについてどれくらい悩んでいましたか?

13年ほどです」

【解説】
Aさんは以前手の震えについて病院で相談をしたこともあったそうです。しかし、一般的なカウンセリングではAさんがどれだけ深刻に悩んでいるかをなかなか理解してもらえず悲しい気持ちになったとのことでした。ちなみに、演奏メンタルレッスンを受けてくださる音楽家さんの多くが、約10年ほどあがり症に悩まれています。

Qレッスンで印象に残っていることは何ですか?

「過去の自分はすごく耐えて偉かったということに気づけたこと。新しい自分になるために『なりたい自分ごっこ』をすればいいということです。目から鱗の発見もあってとても楽しかったです!

【解説】
Aさんには、2回目のレッスンでこれまで歩んできた音楽人生のグラフを書いていただきました。ご本人としては「自分の頑張りが足りないから、震えたり怖かったりするんだ」と思っていたようですが、グラフにして可視化することでこれまでの努力を認めることができたようです。

Qレッスンを受けて変化したことを教えてください。

不安がわぁっと押し寄せそうになる時、『無責任で良い』『これまでなんとかなってきた』など自分へのワードが浮かんで、不安をやわらげるための自分への声かけが出来るようになってきました」
「弱奏の時でも落ち着いて弓を動かせるようになりました。これでいいのか!という感じでした」

【解説】
演奏するときに限らず、人間は生きていれば不安をゼロにすることはできません。安心して自分の実力を出し切れるようになるには『不安になっても大丈夫』と自分に言えるようになっておくことが大事です。Aさんはメンタルレッスンを通して不安になった時に自分が安心する声かけができるようになりました。

演奏中の手の震えを克服!演奏メンタルレッスン内容(Aさんの場合)

・練習内容の見直し
→自分にとって効率のよい練習時間、方法はなにかを考え直す

・新しいキャッチフレーズづくり
→「自分はだめだ」などのネガティブなセルフイメージを明るいものにし、なりたい自分に近づくためのキャッチフレーズを作る

・トラウマを癒す
→ 周りの人から言われて傷ついた体験などをイメージワークで癒す

・音楽人生グラフの作成
→これまで歩んできた道を可視化して、過去の自分を認める

・魔法の言葉
「毎日2時間練習しなくていい」
「今までよく耐えてきた!私えらい!」
「責任感、捨てよ〜」

など


『本番が怖い!』という気持ちがありながらも、人前で演奏を続けたことは誇りに思っていいこと。過去を癒すイメージワークなどをお伝えして「よく耐えてきたね」と、ご自身のこれまでの頑張りに寄り添ってあげることができるようになりました。

また、これまでの活動で凝り固まっていた自分へのネガティブなセルフイメージを明るいものに変えるために、具体的にどういう演奏家になりたいか憧れの人などを書き出していただきました。

こうならなくては!と厳しく目標を立てるのではなく

「憧れの〇〇さんのように振る舞い、演奏する遊び」

として生活の中に取り入れていただくことをご提案。

前向きでポジティブな気持ちで楽器に触れる時間を長くすることで、新しいAさんに時間をかけて生まれ変わる方法をお伝えしました。

演奏する時の手の震えにお悩みの方へ

本番で手が震えた経験があると「またああなったらどうしよう・・」と思ってしまうと思います。
Aさんもそうだったのですが、本番がくるのが怖い原因の一つとして、舞台の上での「孤独感」があります。

なんでも一人で上手くやらなければいけない!
自分さえ上手くやれば、アンサンブル全体が上手くいくはず私が頑張らないと!

と、自分にプレッシャーをかけて追い詰めることで、本番=必ず成功させなければならないハードルの高いものになるのです。

失敗=許されないことという風に感じている方もいらっしゃると思いますが、一人で演奏するときも、あなたは舞台の上で楽器や聴衆とつながっているんです。

「私は一人じゃないんだ」そう思えたときに、孤独感が減り演奏する喜びを再び感じられるようになります。

また、演奏することに恐怖を感じる理由は、実は演奏以外にあることが多く「思考のくせ」が大きく関わっている場合も多くあります。

思考のくせは長い時間をかけてできあがったもの。人それぞれ持っているものは違います。

無意識に思っていることですので、それが演奏につながっていると気づくのはとても難しいこと。
自分一人ではどうにもできないことをクリアにして、演奏する時の不安を減らすことができるもの、それが演奏メンタルレッスンです。

十分練習していても本番が怖い
夜も眠れなくなる
誰にもこの気持ちを言えなくてつらい

そう感じる方は、ぜひ一度無料相談でお話をお聞かせください

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