こんにちは!音楽家専門心理カウンセラー&マリンバ奏者の野元麻美です。

今日は、過去に実施したオンラインセミナー「本番一週間前からできる緊張対策」の内容をお伝えしたいと思います。1人で簡単にできることばかりなので、ぜひ取り組んでみてくださいね!

 

そもそもなぜ緊張するの?

緊張とは、みなさんがご存じの通り人間の防衛本能です。

過剰な緊張はあがり症として私たちの演奏に悪影響を与えることがありますが、元々は私たちの体に備わっている自律神経が働いて力を発揮しようとしている状態なんです。

緊張は必ずしも悪いものではなく、コントロールすることでうまく利用することもできます。

「緊張してはいけない」とリラックスや脱力を求めすぎるよりも、緊張していてもうまく演奏できるようになることを目指す方が、実は近道なんです。

それではここから、マインド編とからだ編にわけて対策をお伝えしますね!

 

対策①ーマインド編ー


まずはマインド編です。
本番が近くなると、ソワソワしたり気持ちの揺れ幅が大きくなったりすることもありますよね。
私も昔は「失敗したらどうしよう」ばっかりが頭の中にあって、演奏の準備やリハーサルに集中できない時が多くありました。

まずは、「あ、いま私は不安になっているな」とニュートラルに受け入れましょうあなたはよく頑張っています。不安に飲み込まれないように注意しながら、自分に気持ちに寄り添ってみてください。

不安になっている(感情)と、練習や演奏(やらなければならないこと・行動)は分けて考えるのがポイント。不安を完全に消したり、不安の感情を抑え込む必要はありません。空に浮かぶ雲のように、感情をぷかぷか浮かせるイメージをして、やるべきことを淡々と行ってみましょう。

 

 

本番前の不安対策具体例

 

本番前に不安になった時の対処法をご紹介します。ぜひ取り入れて心の中に安心を増やしてくてください。

①自信がない時

・これまでやってきたこと(譜読みから今日までの練習など)を書き出す
・自信がない自分を否定せずにやるべきことをやる
・「私ならできる」と根拠なく信じてみる

 

②失敗が怖い時

・頭の中のことはまだ起こってない
・不安や恐怖心、パニックは感情をコントロールする「扁桃体」のせいにする
・「自分は失敗を怖がっているな、いつもそうだけど、なんとかなるよね」と自分に寄り添う
・自分の価値と音楽を切り離す

 

③完璧に演奏しなきゃと思ってしまう時

・完璧主義が完璧な演奏に繋がる訳ではないことを思い出す
・人の期待に応えるために演奏をするのをやめる

④人の視線が気になる

・HSP気質のせいかも(見られているのではなく、体が先に反応しているだけ)
・聞きにきてくれる人の24時間を想像してみる
・自意識過剰じゃない?と自分に聞いてみる

 

⑤演奏が仕上がるかどうか不安

・残りの練習可能時間を可視化。ベストが尽くせるようにスケジューリングして行動する。
・ジャッジせずに、いまできることをする。
・不安は、脇に置いておく。

 

 

対策②ーからだ編ー

 

次はからだ編です。
本番で自分らしい演奏するためには、普段から
プレッシャーを感じながら演奏することをしておくことがおすすめです。

震えや心臓のドキドキは、交感神経が優位になっていることが原因ですよね。そう頭ではわかっていても、その状態を落ち着かせる方法を知らなければ、演奏に影響が出てしまいます。次にご紹介するトレーニングを、練習の中に取り入れて本番に強いからだと心を作っていきましょう!

丁寧なシミュレーション

衣装を着て、いつもと違う環境で演奏するということは多くの音楽家さんにとって非日常です。
環境や状況が変わっても良い集中状態を保てるように、丁寧なシミュレーションを行いましょう。
心の中の安心感が増えるので、堂々とした演奏につながりますよ!



・環境を準備する
(服装・照明・室温・直前の演奏・ホールの写真)
・心拍数を上げてから演奏してみる
・深呼吸の回数を色々試してみる
・出だしの30秒から1分を何度もしてみる
・電気を暗くして舞台袖と同じ雰囲気を作る
・人に聞いてもらう
・録音や録画をする

など

ルーティーンを作る

あなたは演奏前のルーティーンを持っていますか?ルーティーンとは普段と同じ動作をすることで「いつも通りの演奏」可能性を高めるもの。本番前の不安を落ち着かせたり、集中モードをONにすることに効果的。あなただけのルーティーンを一つ作って、お守りとして活用しましょう!

(ルーティーンの例)
・指を触る
・ピアノのロゴを見る
・足の指を動かす
・マイクを触る
・楽器の一部を触る
・丹田呼吸を3回する など




本番に強い自分は作れる


頭の中の雑念を消して、落ち着いて演奏するためにはあなただけの「流れ」を本番前もやることが大事。
私もいくつかルーティーンを試して、いつもやっている動作があります。練習をいくら頑張っても本番では手が震えてダメになる・・。というパターンの方は、まずは心の緊張にアプローチして、体の緊張をほぐしていってみてください!ルーティーン作りが1人じゃ難しい・・という方は、ぜひ私にお手伝いさせてくださいね!

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野元麻美
Mami Nomoto

音楽家専門心理カウンセラー&マリンバ奏者

あるできごとをきっかけに心理カウンセリングを受け、効果を実感したことから、心理カウンセラーとしての専門知識を習得。
2017年より「悩んでいる人をひとりにしない」をコンセプトに、音楽家専門の心理カウンセラーとして活動している。カウンセリング手法は、“心屋リセットカウンセリング”。一人ひとりに寄り添い、お悩みや困りごとの根本原因を見つけて積極的に解消に導いている。
「自分の演奏に自信がもてない」「演奏中に人の目が気になって集中できない」「音楽が大好きなはずなのに、演奏するがつらい」など、全国の悩める音楽家のみなさまより心理カウンセリングのお申し込みをいただいている。
オンライングループレッスンtuttiでのあだ名は、「マミー」。