音楽する人がスランプになる理由

(この記事はstand fm「音楽する人がスランプになる理由」の書き起こしです)
こんにちは。野元麻美です。
私は2017年から、オンラインで音楽をする方の
・あがり症の克服
・本番に向けた緊張対策
など、メンタル面のサポートを行っています。
今日は
「音楽する人がスランプになる理由」
についてお話しします。
このテーマを取り上げようと思った理由は、
私のホームページに辿り着く検索ワードに
「スランプ」「演奏 うまくいかない」
といった言葉が多いことがわかったからです。
それだけ、スランプで悩んでいる音楽家の方が多いということですよね・・
うまくいかなくなると
「あれ、なんで?」
「どうしよう!」
と、焦ってしまう気持ち、とてもよく分かります!
音楽をする人のスランプとはどんな状態か

一般的に演奏する人のスランプとは、
- 音が出にくくなる
- 以前のように弾けない
- 集中できない
- 演奏が楽しく感じられなくなる
といった状態を指すことが多いと思います。
「昨日までできていたのに急にできなくなった」
「徐々に調子が落ちてきた」
どちらのパターンもありますね。
私自身も、これまで何度も経験してきました。
音楽のスランプ自体は異常ではない

まず大前提としてお伝えしたいのは、
音楽を続けていれば調子が落ちる時期は必ずあるということです。
真剣に取り組んでいればいるほど、
本番前などは特に焦りやすくなります。
しかし、身体や感覚は
「練習すれば必ず右肩上がりで積み上がる」
というものではありません。
- 音楽以外の疲労
- 生活リズムの変化
- 体調の変化
- 人間関係や環境の変化
こうした音楽とは直接関係ない要素が、
演奏の感覚に影響することはとても多いです。
私はこれまで延べ800人以上の音楽家の方のお話を聞いてきましたが、
スランプの背景に「音楽以外の気掛かりや悩み」があるケースは本当に多いと感じています。
つまり、スランプが来ること自体は異常でも失敗でもないと言うことです。
音楽する人がスランプになる本当の理由

では、なぜスランプが「悩み」になるのでしょうか。
それは一言で言うと、
今の状態を「問題だ」と意味づけたときに、スランプになる
からです。
音が出にくい、思うように弾けない、楽しくない。
こうした状態自体は、誰にでも起こります。
しかし、
- これはまずい
- 下手になった
- 今までの練習が無駄になったかもしれない
- 本番に間に合わないかもしれない
- このまま戻らなかったらどうしよう
こうした解釈が重なると、
ただの「状態」が「スランプ」という悩みに変わります。
スランプとは、
状態そのものではなく、
状態への意味づけによって生まれるものなんです。
これはスランプに限らず、多くの悩みに共通する構造でもあります。
スランプが苦しくなりやすい人の特徴

スランプが長引きやすい人には、いくつか共通点があります。
- 演奏の出来と自分の価値が直結している
- うまく弾ける=自分は大丈夫
- 弾けない=自分はダメ
また、
「音楽=自分そのもの」
になっている場合も、スランプは長引きやすくなります。
一時的な不調が、
自分自身の否定にまで広がってしまうからです。
さらに、
早く抜け出さなきゃ!元に戻らなきゃ!
という焦りが加わると、演奏から余白が失われていきます。
余白がなくなると、これまで積み重ねてきた感覚や表現も使いにくくなってしまいます。
私がスランプで悩まない理由

実は私は、スランプが来てもあまり悩みに発展しません。
それは、ポジティブだからでも、強いからでもありません。
(むしろ私はネガティブで、繊細なタイプです!笑)
ただ一つ違うのは、今の状態と自分を切り分けて見ているというところ。
- 今日はうまくいかなかっただけ
- 今は調子が落ちている時期
そう捉えて、一回の練習や一回の演奏で「ああ〜だめだ〜」と音楽人生全体を判断しません。調子が悪い日は、「今日はここまで」と切り上げて、別のことをします。
うまくいかない状態は、コントロールするものではなく観察するもの。ここが、大きな分かれ目だと感じています。
音楽のスランプの抜け出し方
スランプから抜けるために大切なのは、「元に戻そうとしないこと」です。
多くの人は「以前のように弾ける自分に戻らなきゃ」と考えますが、実際にはスランプは移行している途中の状態であることがほとんどです。
特におすすめできないのは、
- 練習量を増やす
- できない部分を延々と深掘りする
ことです。
これは脳や感覚をさらに疲れさせ、結果的にパフォーマンスを下げてしまいます。スランプは「突破するもの」ではなく通過するもの。立ち止まる勇気も、とても大切です。
演奏=自分ではない

最後にお伝えしたいのは、演奏があなたそのものではないということ。
あなたの価値は、演奏の出来とは別のところに、もともとあります。音楽は、あなたに付随している一つの表現手段。外側にあるものです。
その日の演奏がうまくいかなかったからといって、
何かが崩れ落ちるわけではありません。
安心して、立ち止まってくださいね。
今回は「音楽する人がスランプになる理由」についてお話ししました。少しでも参考になれば幸いです。
(音声はこちら▶️ stand fm「音楽する人がスランプになる理由」)
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