演奏する時のあがり症を克服しよう
こんにちは!音楽家専門心理カウンセラー・マリンバ奏者の野元麻美です。
演奏する時の、ドキドキや手足の震えに困っている音楽家さんはとても多いと思います。私自身20年以上ひどいあがり症に悩まされていたのですが、メンタルと向き合い本番力をつけるトレーニングをしたことで、今では緊張をコントロールすることができるようになりました。今日は演奏者の皆さんがあがり症を克服するためのポイントをお伝えしますので、ぜひやってみてくださいね!
あがり症克服!基本の3ステップ
まずは、基本の3ステップをご紹介!
①過去の自分を労わる
②自分を知る
③本番に強い自分を育てる
この順番で確実にあがり症は改善されていきます。一つずつご説明しますね!
まずは過去の傷を癒そう①過去の自分を労わる
① 過去の自分を労わるは、この3つのステップの中で実は一番重要。
何をするのかというと、過去の失敗でできた嫌な記憶や心の傷を癒す作業をしましょう!当時の出来事をもう一度振り返ってみて、偏った記憶になっていないかをチェックします。例えばコンサートで失敗したときに、どのくらい演奏が乱れたのかを冷静に思い出してください。自分では「もうメチャクチャになった!」と思っていても、録音を聞き返すと8割くらい演奏できていたり、周りからは意外といい感想をもらえていたりするもの。ノートに書き出すなどして、振り返ってみましょう。
そして、当時の自分を思い出して「最後まで弾いてくれてありがとう」「頑張ってくれてありがとう」「怖かったのに舞台に立てて偉かったね!」などの声をかけてあげてください。感謝のお手紙を書くのもとても効果的ですよ!

自分はどんな人?②自分を知る
過去の傷が癒えてきたら、次は②自分を知るです。
自分は自分のことをどう思っているか?どんな価値観を持っているかを考えてみます。例えば、あなたは「私は〇〇な音楽家です」の〇〇にはどんな言葉が入りそうですか?「私は認められない音楽家」などのネガティブなものもあれば、「私は輝いている音楽家」というポジティブなものもありますね。他にも「人前で演奏するときは完璧な演奏をするべき」などの〜べき・〜ねばの思考はありませんか?これは心のマイルールといって、演奏する時に邪魔をしてくる考えです。自分らしく演奏する上で必要のない価値観やセルフイメージは、どんどん手放していきましょう!自尊心が弱かったり、自己否定の癖がある場合も、演奏上達には必要がない!とキッパリ手放してくださいね。

実績を積み重ねよう③本番力トレーニング
過去の自分を労って、自分の価値観や考え方を知ることができたら、ここでようやくトレーニングを開始します。まずは、自分が本番で緊張したときどんなふうに演奏に影響が出ているかを思い出してみましょう。本場前は緊張するけど弾き始めてからは大丈夫という方や、逆に演奏が始まってから緊張して体が硬くなる方もいらっしゃます。(私はこのタイプ!)
自分の弱い部分を知ったら、どんなトレーニングが必要かを準備していきます。
効果的なトレーニングとしては次のようなものがあります。
人の視線が気になる・・録音や録画、SNSでのライブ配信
会場の空気感や音に体が影響を受けやすい(震えなど)・・会場の写真や動画を見ながら演奏する、心拍数を上げてから演奏する、本番の照明に近い明るさで練習する
途中で集中力がなくなる・・演奏前に同じ動作をして「右脳」モードにする(ルーティーンを決める)
とにかく体が硬くなる・・意識を自分の体ではなく、外側に持っていくイメージをしてから演奏する
確実に本番に強くなるためのポイントは、これらのトレーニングを日常的に行うことです。曲の練習をするのとは別に、自分の本番力を育てる時間を確保して継続して行ってください。そして、人前での演奏を非日常にしないことも大事です。ピアニストの方は、ストリートピアノを活用するのもいいですね!

ステージで100点を取ろうとしない
あがり症は残念ながらすぐに克服できるものではありません。しかし前向きに取り組むことで必ず改善し、演奏をもっと楽しんで満喫できるようになります。緊張しない自分を目指すのではなく、緊張してもパフォーマンスが落ちない自分を目指してみてください。誰かから花丸をもらうような演奏ではなく、あなたの心が喜ぶ演奏ができるようになります。あがり症克服は、急がば回れ。自分を応援しながらゆっくりゆっくり本番に強いあなたになっていきましょう!

野元麻美
Mami Nomoto
音楽家専門心理カウンセラー&マリンバ奏者
あるできごとをきっかけに心理カウンセリングを受け、効果を実感したことから、心理カウンセラーとしての専門知識を習得。
2017年より「悩んでいる人をひとりにしない」をコンセプトに、音楽家専門の心理カウンセラーとして活動している。カウンセリング手法は、“心屋リセットカウンセリング”。一人ひとりに寄り添い、お悩みや困りごとの根本原因を見つけて積極的に解消に導いている。
「自分の演奏に自信がもてない」「演奏中に人の目が気になって集中できない」「音楽が大好きなはずなのに、演奏するがつらい」など、全国の悩める音楽家のみなさまより心理カウンセリングのお申し込みをいただいている。
オンライングループレッスンtuttiでのあだ名は、「マミー」。